痛いのになんで怒られるの?
先日、患者さんとのお話しで、聞かせていただいたお話です。
当院に来られる前は、病院でなにかといえば怒られたそうです。
先生に痛いと言えば
「薬を飲んでないじゃないか!」「生活に問題はないか!」
あげくに「治っているはずや!」
痛いのに苦しいのに、怒られる。
辛さとして2倍ですよね。
もちろん、患者さんの行動や感情にあまりに問題があれば、怒ることも必要でしょう。
怒るということを、少し心理学の方向からお話しさせていただきます。
これは、若い先生に指導させていただく時にお話しすることですが、怒って治る病気はないということです。
スポーツ心理学では、怒るという行為は、次の指導法が思いつかない時に起きる行為だ、と説明されています。
次の手があるのなら、怒る必要はないのですね。
また、対人関係心理学では、怒ると互いの思考が狭くなり、問題が良い方向に解決しにくくなる傾向があるそうです。
怒ると、怒る理由に意識が集中して、悪い材料や自分に有利な材料を集めて、対決思考になってしまいます。
相手も、自分を正当化する材料を集めて、対決思考にならないといけなくなります。
そうなると、2人は幸せになれるでしょうか?
これでは、人間関係は良い方向に向かいませんね。
怒るというのは大切な感情の一つです。
怒るというのは相手がいます。
どんな怒り方をするかではなく、どうやったら伝わるかを考えてみるのはどうでしょうか。