スポーツするなら夕食はどんぶり3杯の白ごはん?
10年ほど前に、サッカーで兵庫県の強豪校へ進学した患者さんから聞いた話です。
そこは全寮制の学校で夕食はどんぶり3杯の白ごはんが義務になっていて大変だ、と聞きました。
スポーツ栄養学的には笑い話みたいなやり方です。
ただ、最近そのやり方をやる指導者がたくさん出てきていると聞いて寒気がしました。
少し説明しますね。
走り回るエネルギーは白ごはん、炭水化物から生まれます。 その点で言えば白ごはんをたくさん食べるのはいいことです。
ただし、食事には限界量と摂取するタイミングが大切です。
以前の記事でも書きましたが、大事な法則があります。
炭水化物を必要とするのは練習前で、練習後に必要なものはタンパク質なんです。
激しい練習のために炭水化物を取って身体にエネルギーを貯める
激しい練習の直後に筋肉が痩せてしまわないようにタンパク質を摂る。
つまり、練習で疲労した身体にどんぶり3杯の白ごはんは…
うーん、どうかな?って思います。
実際、そのサッカー部では部員の多くはそんなに食べられないので、ふりかけやお茶漬けで白ごはんだけを食べてオカズをほとんど食べずに3杯をクリアしていたそうです。
何か変ですよね?
これでは大量の炭水化物は消費できずに脂肪として蓄積され、タンパク質を必要とする筋肉は栄養不足で発達せずに痩せてしまいます。
どんぶり3杯を食べさせたいなら食べるタイミングを変えてみましょう。
提案するのは、おにぎり作戦です。
朝ごはんは炭水化物を食べてエネルギーを貯めます。 白ごはんや穀物類(じゃがいもなど)、朝から食べられない子どもにはそーめんやうどんなども用意するといいですね。
朝練があるなら朝練のあとにおにぎりとゆで卵、ちくわなんかでエネルギーを補います。
午後の練習前におにぎりを2個食べて練習に必要なエネルギーを補うのはどうでしょう。
そして練習後の食事はタンパク質中心にします。 鶏肉は1枚150グラム.野菜も150グラムくらいを義務とします。 ごはんの進む濃い味付けもいいですね。
ごはんだけじゃなく汁物に麺類や穀物類なんかを入れるのも炭水化物を摂るのにいいですね。
この内容でごはんの量が足りないと思えば食事の2時間後におにぎりを食べる。
一度の食事の限界量や摂取のタイミングを考えてみるとこんな感じかな、と思います。
指導者のみなさん、いかがでしょうか。
摂取するタイミングを少し考えてみる機会になれば幸いです^_^